「大晦日の夜、関東一円の狐たちが王子に集まり、装束を整えて王子稲荷神社へ参拝した」
そんな古くからの伝承をご存知でしょうか?
歌川広重の浮世絵にも描かれたこの幻想的な物語が、現代の東京・王子で「王子 狐の行列」として蘇ります。
除夜の鐘が響く頃、提灯の灯りが揺らめき、白塗りの狐メイクを施した人々が静かに練り歩く……。
その光景は、ここが令和の東京であることを忘れさせるほど神秘的で、まるで異世界に迷い込んだような錯覚に陥ります。
「2026年の幕開けは、日本の昔話の中で迎えたい」
「あのおとぎ話のような写真を自分で撮ってみたい」
そう思って訪れる人が年々増えていますが、このイベントは深夜の住宅街で行われるため、事前の場所取りやルート把握が非常に重要です。
何も知らずに行くと、人混みで何も見えないまま終わってしまうことも……。
この記事では、王子エリアの地理に詳しい私が、2026年「狐の行列」のベストな見学場所や、カメラマンなら知っておきたい撮影アングル、そして自分も狐になって参加するためのメイク事情まで、徹底的に解説します。
さあ、提灯の明かりを頼りに、妖しくも美しい狐たちの世界へご案内しましょう。
王子 狐の行列2026!開催時間とパレードのルート詳細
まず最初に、この行列が「いつ、どこから始まって、どこへ行くのか」を頭に入れておきましょう。
イベントの開始時間は大晦日の深夜です。終電が終わった後の時間帯になるため、近隣に住んでいるか、朝まで過ごす覚悟で参加する必要があります。
例年のスケジュールは以下の通りです。(※2026年の公式発表は未定ですが、伝統行事のため大きな変更はないと予想されます)
| 項目 | 時間(予想) | 内容 |
| 参拝・待機 | 22:00頃〜 | 出発地点である「装束稲荷神社」周辺に人が集まり始めます。 |
| 鏡割り・儀式 | 23:30頃〜 | 出発前の厳かな儀式が行われます。 |
| 行列出発 | 00:00(年明け直後) | 除夜の鐘とともに、狐たちが歩き出します。 |
| 行列到着 | 01:00〜01:30頃 | ゴール地点の「王子稲荷神社」へ到着し、参拝して終了。 |
装束稲荷神社から王子稲荷神社への行列コース(地図)
行列のルートは、「装束稲荷神社(しょうぞくいなり)」から「王子稲荷神社(おうじいなり)」までの約1kmの道のりです。
地理関係が少しややこしいのですが、JR王子駅を挟んで北側エリアが舞台となります。
【行列の主なルート】
- 装束稲荷神社(出発地点)
- 北本通り(大通り)沿いにある小さな神社。ここに行列参加者が集結します。
- 北本通り(きたほんどおり)
- 大きな通りを少し歩きます。ここは道幅が広く、比較的見やすいエリアです。
- 権現坂(ごんげんざか)
- ここがハイライト! 細い坂道を登っていきます。
- 王子稲荷神社(到着地点)
- 関東稲荷総社の格式を持つ神社。ここがゴールです。
「王子稲荷」と「装束稲荷」、名前が似ていますが場所は全然違うので注意してくださいね。スタートは小さい方の「装束稲荷」です。
深夜0:00スタート!提灯交換の儀式が見られる場所と時間
行列が動き出す直前、装束稲荷神社の前では重要な儀式が行われます。
それが「提灯交換の儀」や「鏡割り」です。
大晦日の23:30頃から、神社の前で裃(かみしも)を着た狐たちが整列し、厳かな雰囲気の中で儀式が進みます。そして、0時00分ちょうど、カウントダウンとともに拍子木が鳴り響き、行列がゆっくりと動き出します。
この出発の瞬間は、緊張感と高揚感が入り混じり、何とも言えない感動があります。
もし「物語の始まり」を目撃したいなら、23:00頃には装束稲荷神社の前に待機しておくことをおすすめします。ただし、ここは一番混雑するポイントでもあります。
一番きれいに見える場所は?観覧エリアの場所取り攻略
「せっかくなら、一番良い場所で見たい!」
そう思うのは当然ですが、深夜の暗い道で行われるため、場所選びを間違えると「人の頭しか見えない」ということになります。
目的別に、おすすめの見学スポットを3つ厳選しました。
出発地点(装束稲荷)と到着地点(王子稲荷)、どっちがおすすめ?
初めて行く方が迷うのが「スタートを見るか、ゴールを見るか」です。
結論から言うと、初心者には「スタート地点(装束稲荷周辺)」をおすすめします。
- 装束稲荷周辺(スタート)のメリット:
- 大通り(北本通り)に面しているため、歩道が広く、観覧スペースが確保しやすい。
- 出発前の整列している狐たちをじっくり観察できる。
- コンビニなどが近くにあり、寒さ対策やトイレ休憩がしやすい。
一方、王子稲荷周辺(ゴール)は、神社への参拝客(初詣客)と行列見学者が入り乱れ、非常にカオスな状態になります。また、道が狭いため規制が厳しく、いい場所を確保するのは至難の業です。
カメラマン必見!幻想的な写真が撮れる「S字カーブ」等のアングル
一眼レフや高性能カメラで、あのポスターのような幻想的な写真を撮りたい方。
狙い目は、装束稲荷を出てすぐの交差点や、北本通りから路地へ入るカーブ地点です。
行列は長い列になって進むため、「カーブを曲がる瞬間」を狙うと、提灯の明かりが帯のように連なり、奥行きのある美しい構図になります。
【撮影のコツ】
- フラッシュは厳禁!
- 雰囲気が台無しになるだけでなく、行列の方の目が眩んで危険です。ISO感度を上げて、提灯の灯りだけで撮るのがマナーであり、一番美しく撮るコツです。
- ローアングルが映える
- 少し低い位置から見上げるように撮ると、狐のお面や提灯が夜空に浮かび上がるような迫力が出ます。
混雑必至!権現坂の階段エリアで見学する際の注意点
ルートの後半にある「権現坂(ごんげんざか)」。
ここは細い坂道になっており、昔ながらの街並みと相まって最高の雰囲気醸し出しますが、見学難易度はMAXです。
- 道幅が狭い: 人がすれ違うのがやっとの道幅に行列が通るため、観客は壁にへばりつくようにして見ることになります。
- 規制が厳しい: 混雑しすぎると、警察によって通行止めになることがあります。
- 足元が暗い: 坂道や階段があるため、撮影に夢中になって転倒しないよう注意が必要です。
「近くで見たい!」という気持ちはわかりますが、権現坂エリアはベテラン向き。
安全に見たいなら、やはり広い通り沿いで待機するのが正解です。
見るだけじゃもったいない!お囃子と狐火の演出
王子 狐の行列の魅力は、ただ仮装して歩くだけではありません。
視覚と聴覚に訴えかける「演出」が、このイベントを芸術の域まで高めています。
提灯の灯りが揺れる幻想的な「狐火」の正体
行列の主役は、もちろん狐に扮した人々ですが、その雰囲気を決定づけているのが「狐火(きつねび)」を模した提灯の明かりです。
行列の参加者は、「命の灯火」とされる提灯を手に持っています。
電灯のなかった江戸時代、狐たちが口に火をくわえて集まってきたという伝承を再現しているのです。
現代のLEDイルミネーションのような派手さはありません。
ゆらゆらと揺れるロウソクのような暖色の明かりが、闇夜に連なって動いていく……。その儚さが、見る人の心に「懐かしさ」や「畏敬の念」を呼び起こします。
地元の子供たちによる可愛らしい狐踊りときつね囃子
行列の先頭付近では、地元の子どもたちが「きつね囃子(ばやし)」に合わせて踊りを披露してくれます。
「♪ ハァ〜、もっともだ、もっともだ」
という独特の掛け声と、軽快な太鼓や笛のリズム。
白狐のメイクをした小さなお子さんたちが、一生懸命踊りながら歩く姿は本当に可愛らしく、見ているだけで笑顔になります。
このお囃子の音が近づいてくると、「あぁ、新年が来たんだな」という実感が湧いてきます。
厳かな儀式と、賑やかなお囃子。このコントラストもまた、日本の祭りの醍醐味ですね。https://x.com/Kltune_bly0rl/status/2005991578633183395?s=20
狐メイクで参加できる?一般参加のルールと受付
「見るだけじゃ満足できない! 私も狐になりたい!」
そう思う方も多いでしょう。実はこのイベント、一般の方でもメイクをして行列に参加することが可能です(一部、事前登録が必要な枠もありますが、後方をついて歩くのは自由な場合が多いです)。
ただし、メイクに関しては厳しい「時間の罠」があります。
受付は夕方から?メイクをしてくれる場所と整理券の配布状況
例年、王子駅周辺の特設会場(「王子駅北口」付近や「北とぴあ」など)で、プロの方による「狐のメイク」を受けることができます。
しかし、行列が始まる深夜に行っては絶対に間に合いません。
【メイク受付のリアルな状況(予想)】
- 受付開始: 大晦日の夕方(16:00頃〜)
- 受付終了: 19:00〜20:00頃には受付終了してしまうことが多いです。
- 整理券: 人気のため、早い時間に整理券が配布され、枠が埋まり次第終了となります。
「紅白歌合戦を見てから行こう」では遅いのです。
本気で狐メイクをしてもらいたいなら、夕方には王子に到着し、メイクを済ませてから近隣で時間を潰すくらいの気合いが必要です。
もちろん、自宅で自分でメイクをしてくるのは自由です。100円ショップで狐のお面を買ってきたり、フェイスペイントで髭を描いたりして参加している人もたくさんいますよ。
着物じゃなくても大丈夫?参加者の服装マナーと防寒対策
行列に参加する場合、服装に厳密な決まりはありません。
もちろん着物や羽織袴でビシッと決めている参加者はカッコいいですが、普通のダウンジャケットやコートで参加している人も多いです。
ただし、以下の2点だけは注意してください。
- 和の雰囲気を壊さない配慮
- 可能なら、洋服の上から「法被(はっぴ)」を羽織ったり、首に手ぬぐいを巻いたりして、少しでも「和」のテイストを取り入れると、一体感が出て楽しいですし、周りからも好意的に見られます。
- ガチの防寒対策
- これが一番重要です。行列はゆっくり進むため、体感温度は氷点下です。
- 着物で参加する場合も、下にヒートテック上下、足元は足袋の中に重ね履き用ソックス、そして背中と腰にカイロは必須です。
「寒すぎて途中離脱」なんてことにならないよう、防寒はやりすぎなくらいでちょうど良いです。
おすすめのカウントダウンイベント
こちらのイベントも是非チェックしてみてください!
まとめ:2026年は狐の背中を追って初詣へ
いかがでしたか?
王子の狐の行列は、派手なカウントダウンイベントとは一味違う、日本の原風景を感じられる素晴らしい行事です。
- スタート地点の「装束稲荷」周辺が見学のベストポジション
- 撮影はフラッシュ厳禁!提灯の明かりを活かして
- メイク希望なら夕方には現地入りを
- 深夜の屋外イベントなので、防寒対策は最強装備で
提灯の揺れる明かりを見つめながら、狐たちの後をついて神社へお参りする。
そんな不思議で幻想的な体験は、きっと一生忘れられない2026年の幕開けになるはずです。
暖かくして、気をつけて行ってらっしゃいませ。
コンコン!
